② ため池の防災減災事業について

  • 〈事項等〉
    意見を表示し又は処置を要求した事項(農林水産省)
  • 〈検査の観点〉
    主に有効性の観点から検査を行ったもの

農林水産省は、都道府県等が実施する農村地域防災減災事業(以下「防災減災事業」という。)等に対して国庫補助金を交付している。また、同省は、豪雨、地震等により多くのため池が被災していることなどを背景にして、都道府県等に対して、ため池の構造的危険度等を把握するための一斉点検の実施を要請するなどしている。さらに、一斉点検の結果に応じて豪雨及び地震に対するより詳細な調査(以下、これらの調査を合わせて「詳細調査」という。)を実施し、詳細調査において対策工事が必要と判定されたため池(以下「要改修ため池」という。)については、対策工事を実施するまでの間の監視・管理体制の強化等に係る対策(以下「ソフト対策」という。)を実施するよう努めることを依頼するなどしている。そして、都道府県等は、防災減災事業として、一斉点検や詳細調査を業務委託により実施するなどしている。しかし、詳細調査が実施されたため池について対策工事の必要性が適切に判定されていない事態及び要改修ため池について対策工事が実施されるまでの間に適切なソフト対策が実施されていない事態が見受けられた。したがって、農林水産省において、次のとおり処置を講ずる要がある。

  1. ア 都道府県等に対して、詳細調査の実施に当たっては、「土地改良事業設計指針「ため池整備」」(農林水産省農村振興局整備部監修)を参考とするなどして、200年確率洪水流量等に基づく水理計算により照査を行ったり、規模等による目安だけではなく被災による影響を十分に検討して重要度区分を決定したりするなどした上で、ため池の対策工事の必要性を適切に判定するよう指導すること。また、対策工事の必要性が適切に判定されていないため池については、必要とされる照査を改めて実施するなど、対策工事の必要性を把握するための方策を速やかに検討するよう指導すること
  2. イ 都道府県等に対して、監視・管理体制の強化等に係るソフト対策として実施すべき具体的な事項を示した上で、要改修ため池について、対策工事を実施するまでの間、詳細調査の結果に応じた適切なソフト対策が講じられるよう指導すること。また、十分なソフト対策が講じられていない要改修ため池について、ため池管理者等と速やかに調整するなどして、ソフト対策が講じられるよう指導すること
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