① 有償援助(FMS)による防衛装備品等の調達について

  • 〈事項等〉
    国会からの検査要請事項に関する報告
  • 〈検査の観点〉
    主に有効性の観点から検査を行ったもの

本院は、参議院からの検査要請を受けて、有償援助(以下「FMS」という。)による防衛装備品等の調達について会計実地検査を行った。
 検査したところ、①2防衛装備品の選定結果等の公表内容について調達方法の代替案分析の具体的内容等が公表されていない状況、②協同兵站補給支援協定に基づいて初期投資費用を支払う取引(以下「FMSOⅠケース」という。)の終結等に係る手続が定められていない状況、③品質保証・検査等の経費に充てるために付加される手数料である契約管理費の減免を受けていない状況、④出荷予定時期を経過しても防衛装備品等の納入が完了していない状況、⑤防衛装備品等は納入されたが精算が完了していないことなどにより未精算額が多額に上っている状況、⑥調達した防衛装備品が物品管理簿に記録されていない事態、⑦FMSトラストファンド(以下「信託基金」という。)における日本に返還可能な資金の返済請求を行っていない事態、⑧提供の完了後2年以内に精算することを目標とする新精算方式の採用後も最終の計算書の受領までに時間を要している状況が見受けられた。
 したがって、防衛省において、必要に応じてアメリカ合衆国政府(以下「合衆国政府」という。)の協力を求めるなどして、今後①防衛装備品の選定過程について適切に説明責任を果たしていくこと、②FMSOⅠケースの終結等に係る手続について検討すること、③契約管理費の減免を受けることにより契約額を低減する余地がないか検討すること、④出荷予定時期を経過しても納入されない取引について出荷促進を行うなど合衆国政府と引き続き調整を行うこと、⑤未精算額が多額となっている状況について計算書の送付を促進するなどして引き続き未精算額を減少させるよう努めること、⑥調達した防衛装備品について速やかに物品管理簿に記録し適切に管理すること、⑦信託基金の残高等を十分に把握した上で必要に応じて速やかに合衆国政府に対して返済請求を行うこと、⑧新精算方式による精算が着実に実施されるよう合衆国政府に対して引き続き精算促進を行うことに留意して、より一層適切なFMSによる調達の実施に取り組むことが重要である。
 本院としては、FMSによる防衛装備品等の調達が適切に行われているかについて、多角的な観点から今後も引き続き検査していくこととする。

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