⑤ 障害者に係る就労移行支援事業の給付費の算定について

  • 〈事項等〉
    意見を表示し又は処置を要求した事項(厚生労働省)
  • 〈検査の観点〉
    主に合規性の観点から検査を行ったもの

厚生労働省は、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」(平成17年法律第123号)等に基づき、就労を希望する障害者に対して提供された就労移行支援に要した費用について、市町村が支弁した訓練等給付費の100分の50を負担している。そして、就労移行支援については、就労移行支援に係る指定障害福祉サービス事業所において、利用者を通所させて就労移行支援を提供した場合に就労移行支援サービス費として所定の単位数を算定することとなっており、利用者が就職した日の前日まで算定可能となっている。また、平成29年度までは、就労定着者の割合等が所定の要件を満たす場合には、就労定着支援体制加算等として基本報酬の単位数に所定の単位数を加算することができることになっていた。そして、30年度の報酬改定により就労定着支援体制加算は廃止されたが、その算定の仕組みが基本報酬に組み込まれている。しかし、適正な就労定着の状況に基づかずに就労定着支援体制加算等を算定している事態及び利用者が就職した後も就労移行支援サービス費を算定している事態が見受けられた。したがって、厚生労働省において、速やかに過大に算定されていた訓練等給付費の返還手続を行わせるとともに、就労移行支援サービス費が適正に算定されるよう次のとおり処置を講ずる要がある。

  1. ア 都道府県等に対して、基本報酬の届出の際に指定障害福祉サービス事業者等(以下「事業者」という。)に提出を求めるべき根拠資料を明確に示すなどした上で、届出の内容の確認を適切に行うよう周知徹底すること
  2. イ 市町村に対して、利用者が就職した後は引き続き就労移行支援サービス費を算定できない旨を都道府県を通じて明確に周知徹底すること
  3. ウ 事業者に対して、基本報酬の届出を就労定着の実績に応じて適切に行うこと、利用者が就職した後に引き続き就労移行支援サービス費を算定できないこと及び利用者が就職した場合に市町村に対して適時に報告することを都道府県等を通じて周知徹底すること
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