指摘金額と背景金額

指摘金額

指摘金額とは、租税や社会保険料の徴収不足額、工事や物品調達に係る過大な支出額、補助金の過大交付額、管理が適切に行われていない債権の額、有効に活用されていない資産の額、計算書や財務諸表に適切に表示されていなかった資産の額などです。
 なお、検査報告の指摘金額の総額については、「無駄遣いの総額」などと言われることがありますが、上記のように様々な事態を指摘していることから、会計検査院では指摘事項を説明する際に「無駄遣い」という表現を用いておりません。

収入関係の指摘金額の例
租税や社会保険料の徴収漏れ・徴収不足あるいは取り過ぎの額
診療収入、賃料など各種収入金の収納不足額や不当に免除した額
土地などの財産の売払額や貸付料が低価に過ぎた額 など
支出等関係の指摘金額の例
医療費や年金、各種保険給付金の払い過ぎた額
工事請負、物品調達、業務委託の計画や積算が不適切で過大に支払われた額
工事の設計や施工が不適切で所要の安全度が確保されていない構造物の工事費
対象事業費の算定が不適切で、過大に交付され又は貸し付けられた補助金又は貸付金の額
法令に定める手続に違反して行われた契約や支払の額
計算書や財務諸表に適切に表示されていなかった資産の額 など

背景金額

背景金額とは、検査の結果法令、制度又は行政に関し改善を必要とする事項があると認める場合や、政策上の問題などから事業が進捗せず投資効果が発現していない事態について問題を提起する場合などにおいて、「指摘金額」を算出することができないときに、その事態に関する支出額や投資額などの全体の額を示したものです。
 なお、背景金額は個別の事案ごとにその捉え方が異なるため、金額の合計はしていません。