一般職採用者からのメッセージ

昭和60年 初級(行政)採用 課長級
 第2局防衛検査第3課 課長 酒井 健芳(さかい たけよし)

受験生へのメッセージ 会計検査院での検査業務~未来予想図~

数多くの省庁等の中から会計検査院に関心をお持ちいただきありがとうございます。
 私からは、みなさんが会計検査院の一員になり、検査に取り組む姿の未来予想図を示します。
 会計検査院では、各省庁等の検査を40程度の検査課が分担しています。多くの課では、課が所掌する各省庁の各局や分野別等に5人前後の班体制を複数設けて検査に取り組んでいます。
 各班は、課長補佐級の副長が主任官となり、調査官、調査官補、事務官で構成され、毎年、このメンバーで宿泊を伴う地方機関や都道府県等の実地検査、日帰りでの本省庁の実地検査、在庁での書面検査等を行います。検査結果を11月の検査報告に掲記するまでの間、ワンチームで業務を共にします。新人の事務官となったみなさんは、このチームの一員になります。
 みなさんは、各省庁が部署ごとに分業で取り組む施策、事業について、計画策定から事業完了までの全ての工程に検査を通じて深く関与します。そして、行政、財政を様々な角度から直接的に検査します。
 会計検査院には、毎年、各省庁等から、関係法令等に基づき、10万冊を超える計算書、2000万枚を超える証拠書類が提出されてきます。
 実地検査に当たっては、検査先に到着して初めて契約書等の書類を開くような行き当たりばったりの検査は行いません。みなさんは、事前に上記の書類等を活用し、在庁検査として検査先の事業や契約に関する支出、制度設計等の数多くのチェックを行い、現地確認を必要とする重大な問題、事項を洗い出します。実地検査では、多くの担当者、責任者から説明を聞き取り、これらの疑問等を詳細に確認、評価します。
 みなさんが在庁検査、実地検査で発見した疑問や検査結果は、適時に主任官や班員との間で、議論と検討を重ねます。時には1つの疑問に対してチーム一丸で検査に取り組み、不適切な指摘の事態を明らかにして確定します。
 自分の仕事が行政に直接的に関与している実感を覚える瞬間でもあります。
 在庁検査、実地検査で重大な指摘の事態に繋がる疑問を多数発見するには、関連する知識のほか、多くの経験、関係する事業や予算の調査・分析、担当者から説明を聞き出すスキル、直感等が必要です。各調査官はそれぞれ得意分野、秀でたスキルを持っています。ベテランの調査官は、検査を行う中で不適切な事態を見逃しません。
 新人の事務官のみなさんは、これらを実践や研修の中で獲得、蓄積、向上しますが、採用後しばらくは、皆、ここで苦労します。しかし、会計検査院では、基礎的、総合的な能力向上のための研修機会を多数準備しています。また、班員等から、助言を受けたり、検査スキルを伝授されたりします。みなさんはこれらにより能力を高め、得意分野を見いだし、次々と疑問や事態の発見に繋げ、採用初年度から検査報告への道を開きます。
 みなさんが、会計検査院の一員になり、実践、研修により大きく成長し、行財政に切り込み、その検査結果を検査報告として掲記し、我が国に大きく貢献する人材として活躍する姿を予想します。

平成7年 Ⅱ種(行政)採用 課長補佐級
 第1局租税検査第2課 総括副長 本針 京子(もとはり きょうこ)

受験生へのメッセージ 様々な経験ができて成長できる職場

私が会計検査院を選んだのは、公務員なので女性でも長く続けられると思ったこと、大学の先輩から色々な所に出張して様々な経験ができて楽しいよと教えてもらったことが理由です。結婚、出産後も続けられたこと、全国又は海外にも出張して、日常生活では見られない現場も検査(実地検査)できたこと、業務を通じて成長を実感したことから会計検査院を選んで良かったです。
 4年目には人事院の国内留学制度を利用して、国内の大学院で法律を学ぶ機会をいただきました。検査の際に、法律を知らないために指摘できず悔しい思いをしていたので、大学の時に比べて大学院の時の方が必死で勉強した気がします。
 13年目に子供を出産した後は、基本的に租税検査課で税制に関するテーマ検査に取り組んできました。所得税には扶養控除という制度があるのですが、その制度を悪用して国外にいる親族をたくさん扶養控除している納税者がいたことから、社会情勢の変化を踏まえて制度を見直すように財務省に求めた案件も担当しました。データ入力や院内の審議での対応が大変で途中辛い時もありましたが、検査報告になり、税制改正につなげられたことは嬉しかったです。
 2年前には理化学研究所に出向する機会をもらいました。理化学研究所の研究者が、研究は仮説を立て実験して、仮説が違った場合には修正しながら検証していくので楽しくて仕方がないとキラキラした目で話していました。それを聞いて、テーマ検査も、社会情勢の変化と制度を比べて改善すべき点がないかと仮説を立て、実際に検査して仮説を修正しながら改善点を考えていき、相手方と交渉しながら検査報告にしていくという意味で研究に似ているなあと思いました。面接官に、自分が担当した案件について教えてくださいと聞いてみてください。きっとキラキラした目で話をしてくれると思いますよ。みなさんと一緒に仕事できるのを楽しみにしています。

平成31年 一般職(大卒)(行政)採用 係員級
 第5局経済産業検査第1課 調査官補 白石 彩(しらいし あや)

受験生へのメッセージ 会計検査院の魅力

縁あってこのパンフレットを手に取ってくれたみなさんに、私からは会計検査院の2つの魅力を伝えたいと思います。
 1つ目は、どのようなバックグラウンドを持っていても活躍できる場がある、ということです。私はこれまで、約6年間で3つの部署を経験してきましたが、それぞれの部署で求められる力は、データ分析能力、アカデミックな分野への知見、不適切な事態を見抜く力や傾聴力と千差万別でした。みなさんの中には、簿記や会計を学んできていないから不安だなと思っている方もいるかもしれません。私もそうでした。しかし、実際に働いてみると、理系文系問わず、様々な部署で個性豊かな職員が働いています。また、実地検査では自分と異なる価値観や経験を持つ方と対面することも多いです。変化の激しい時代だからこそ、様々なバックグラウンドを持ったみなさんの、多種多様な観点が必要だと感じます。
 2つ目は、自由闊達に意見を言える風土がある、ということです。私が1年目の時、チーム内の会議で、会議の流れとは正反対の意見を出したところ、その意見が採用され、内心驚いたことがありました。検査の場では、相手の話を引き出すことが重要となることから、役職や世代に関係なく、傾聴の意識が高い職場だと思います。また、実地検査では些細な気づきや質問から不適切な事態が見つかることもあり、ちょっとしたことに思われたとしても、おかしいことにはおかしいと言う必要があります。誰もがフラットに自分の意見を言え、聴き合える心理的安全性の高い職場だと実感しています。
 様々なバックグラウンドを持つみなさんと一緒に、検査について自由闊達に話し合える日を楽しみにしています。

採用に関するお問合せ

会計検査院 人事課人事係
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