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④ 量的・質的金融緩和等の日本銀行の財務への影響について

  • 〈事項等〉
    特定検査対象に関する検査状況
  • 〈検査の観点〉
    主に合規性の観点から検査を行ったもの

本院は、日本銀行が平成28年9月に導入を決定した長短金利操作付き量的・質的金融緩和を29年度においても引き続き実施していることなどを踏まえて、24年度から29年度までの日本銀行の財務の状況について、保有長期国債等の資産及び日銀当座預金等の負債等並びに損益の状況はどのようになっているか、保有長期国債の利回りや補完当座預金制度に係る支払利息等はどのようになっているかなどに着眼して検査した。
 検査したところ、量的・質的金融緩和の導入以降、日本銀行の資産及び負債の額は拡大の一途をたどっている。そして、29年度については、経常利益が前年度から1335億円増加して1兆2287億円となっているほか、補完当座預金制度に係る支払利息が前年度から36億円減少して1836億円となり、また、本院が一定の仮定を置いて試算したところ、市場金利の動向を反映して日本銀行が買い入れたとみられる長期国債の利回りは29年6月、同年9月、同年12月及び30年3月のいずれにおいてもプラスとなっている。一方、25年度から28年度まで毎年度増加していた長期国債利息が減少に転じて1兆2909億円となり、また、保有長期国債の平均残高406兆8335億円に対する利回りは、保有長期国債の平均残高の増加率に比べて長期国債利息の増加率が小さくなっていて低下傾向が続いていることなどから、前年度の0.381%から更に低下して0.317%となっている状況となっていた。
 したがって、日本銀行においては、金融調節等を通じて取得した金融資産について、保有長期国債の利回りが低下してきているなどの状況も踏まえて適切に各引当金を積み立て、また、特に必要があると認めるときは、当期剰余金の5%に相当する額を超える金額を法定準備金に積み立てるなど、財務の健全性の確保に努めることが重要である。また、財務省においては、日本銀行から引当金の積立てを含む財務諸表等の承認又は当期剰余金の5%に相当する額を超える金額の法定準備金への積立ての認可の申請があった場合には、今後の日本銀行の財務の健全性等を勘案した上で、国民に還元されるべきとされている日本銀行の利益の特質等に留意しつつ、引き続き適切に承認又は認可を行っていくことが必要である。
 本院としては、今後の金融経済情勢の変化を踏まえつつ、今後とも日本銀行の財務の状況について引き続き検査していくこととする。

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