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① 社会保障の動向と国の財政健全化に与える影響について

  • 〈事項等〉
    特定検査対象に関する検査状況
  • 〈検査の観点〉
    主に有効性の観点から検査を行ったもの

本院は、社会保障の動向と国の財政健全化に与える影響について、社会保障制度における国民に対する給付の状況及び当該給付に対する国の負担である社会保障関係費の決算額等の状況はどのようになっているか、国の財政健全化目標の指標として用いられている国及び地方のプライマリー・バランス等及びこれに対する社会保障関係費の影響等の状況並びに国の財政健全化への取組における社会保障に係る取組の状況等はどのようになっているかなどに着眼して検査した。
 検査したところ、社会保障制度における国民に対する給付は一貫して増加していて、社会保障関係費は高齢化の影響等により増加傾向となっていて、今後も増加していくことが見込まれ、社会保障関係費に充てる財源となっている消費税の収入との差額は今後も増加することが想定され、社会保障関係費は、一般会計のプライマリー・バランスの悪化要因として引き続き財政健全化に多大な影響を与えることが想定される。国の財政健全化への取組における社会保障に係る取組の状況については、政府は、社会保障関係費の抑制に努めているが、消費税率の10%への引上げ時期の延期により増収分を既存の社会保障関係費の財源に充てることができておらず、公債発行額の縮減に寄与していない状況にあるなどしている。社会保障・税一体改革の議論の前提となった将来推計については、推計値より実績値の方が低くなっており、国の財政に与える影響の把握が困難な状況となっていたり、事後の検証等が行われていなかったりしている。年金の財政検証等については、マクロ経済スライドが発動される前提で推計が行われているが、実際には1回発動されたのみとなっており、マクロ経済スライドによる給付水準調整が適切に行われることが、将来世代の給付水準の確保に必要であるとともに、年金財政にとって重要であると考えられる。
 したがって、社会保障については、人口構造の変化による要因等から国民に対する給付の増加が避けられないこと、制度の持続可能性を確保するためには給付の増加に対応した財源が必要になることなどを踏まえて、政府においては、今後、国民への説明責任の観点から、社会保障改革等の取組が国の財政に与える影響をより分かりやすく示すなどするよう努めつつ、社会保障の給付と負担の在り方等について、国民的な議論の下での検討を行うことなどが重要であり、国民的な議論等を踏まえた上で、財政健全化への取組において、年金を始めとする各制度に係る社会保障に係る取組等を引き続き推進していくことが望まれる。
 本院としては、社会保障が財政健全化に多大な影響を与えていることを踏まえ、社会保障関係費の推移及び財政健全化に向けた取組について引き続き検査していくこととする。

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