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④ 日本郵便株式会社によるオーストラリアの総合物流企業の株式取得について

  • 〈事項等〉
    特定検査対象に関する検査状況
  • 〈検査の観点〉
    主に有効性観点から検査を行ったもの

本院は、日本郵便株式会社(以下「日本郵便」という。)が平成27年に株式取得したオーストラリアの総合物流企業(以下「トール社」という。)の減損損失が日本郵便等の決算にどのように影響したか、株式取得に当たり企業統治体制はどのように機能していたかなどに着眼して検査した。
 検査したところ、日本郵便は、多額の資金を投じてトール社の株式を取得したものの、中華人民共和国及びオーストラリアの経済の減速等によりトール社が有するとされる弱みが顕在化したことなどにより、28年度のトール社の売上高及び営業利益の実績は、株式を取得した際に想定していた悲観シナリオを下回り、トール社が実施している国際物流事業はセグメント別の経常損益で損失を計上することとなるなど、トール社が日本郵便の子会社となって2年度程度が経過した28年度末現在において、トール社の株式取得は、日本郵便の利益向上には寄与していない状況となっていた。また、トール社の株式取得に係る一部の取締役会においては、各取締役会規則に基づき、書面による同意の意思表示を得たことから決議があったものとみなしていたが、多額の資金を投じる際には会議等の場を設けた上で判断する必要もあったと思料される状況となっていた。
 したがって、日本郵便は、今後、トール社の実施する国際物流事業において、トール社が持つとされる国際的な事業運営における豊富な知見と経験を活用することにより、中長期的なシナジー効果を発現する方策を検討するなどして、更なる利益の向上を図っていくとともに、海外展開を行うに当たって、日本郵便とトール社が一体となり業績の回復に向けた具体的なコスト削減等の対策を講じていく必要がある。また、トール社の株式取得に多額の資金を投じたものの、28年度決算において4003億余円の減損損失を計上した事態を踏まえると、今後、収益源の多様化の一環として企業買収を行う場合には、慎重な分析及び判断が必要であると思料される。
 本院としては、今後とも日本郵便の国際物流事業の運営状況、ひいては、日本郵政グループの経営状況等について引き続き注視していくこととする。

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