詳細メニューへ移動します

③ 量的・質的金融緩和等の日本銀行の財務への影響について

  • 〈事項等〉
    特定検査対象に関する検査状況
  • 〈検査の観点〉
    主に合規性の観点から検査を行ったもの

本院は、日本銀行が平成28年7月に金融緩和の強化を決定するとともに同年9月に長短金利操作付き量的・質的金融緩和を導入することを決定したことなどを踏まえて、24年度以降の日本銀行の財務の状況について、保有長期国債等の資産及び日銀当座預金等の負債等並びに損益の状況はどのようになっているか、保有長期国債の利回りや補完当座預金制度に係る支払利息等はどのようになっているかなどに着眼して検査した。
 検査したところ、25年4月の量的・質的金融緩和の導入以降、日本銀行の資産及び負債の額は過去に例をみない規模で急速に拡大している中で、28年度については、経常利益は前年度から3326億円増加して1兆0952億円、超過準備額等の残高に対して発生する補完当座預金制度に係る支払利息は前年度から343億円減少して1873億円となり、また、本院が一定の仮定を置いて試算したところ、28年2月から29年3月までの間に日本銀行が買い入れたとみられる長期国債の利回りも28年6月から12月にかけて上昇基調にあり同年12月及び29年3月においてはプラスとなっているが、保有長期国債の平均残高343兆4181億円に対する利回りは、保有長期国債の平均残高の増加率に比べて長期国債利息の増加率が小さくなっていて低下傾向が続いていることなどから、前年度の0.495%から更に低下して0.381%となっている状況となっていた。
 したがって、日本銀行においては、金融調節等を通じて取得した金融資産について、保有長期国債の利回りが低下してきているなどの状況も踏まえて適切に各引当金を積み立て、また、特に必要があると認めるときは、当期剰余金の5%に相当する額を超える金額を法定準備金に積み立てるなど財務の健全性の確保に努めることが重要である。また、財務省においては、日本銀行から引当金の積立てを含む財務諸表等の承認又は当期剰余金の5%に相当する額を超える金額の法定準備金への積立ての認可の申請があった場合には、今後の日本銀行の財務の健全性等を勘案した上で、国民に還元されるべきとされている日本銀行の利益の特質等に留意しつつ、引き続き適切に承認又は認可を行っていくことが必要である。
 本院としては、今後の金融経済情勢の変化を踏まえつつ、今後とも日本銀行の財務の状況について引き続き検査していくこととする。

Adobe Readerのダウンロード

PDF形式のファイル閲覧にはAdobe Readerが必要です。
>> Adobe Readerのダウンロード(別ウインドウで開きます。)

このページトップへ
会計検査院 〒100-8941 東京都千代田区霞が関3-2-2[案内地図]
電話番号(代表)03-3581-3251 法人番号 6000012150001
Copyright©2011 Board of Audit of Japan