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② 国外に所在する中古の建物に係る所得税法上の減価償却費について

  • 〈事項等〉
    特定検査対象に関する検査状況
  • 〈検査の観点〉
    主に有効性の観点から検査を行ったもの

本院は、証拠書類として提出を受けている所得税の確定申告書等の中に、国外に所在する建物を取得して不動産事業の用に供し、多額の減価償却費を計上して、不動産所得に損失が生じている納税者が見受けられたことから、国外に所在する建物に係る減価償却費の算定方法は建物の現状に適合しているかなどに着眼して検査した。
 検査したところ、アメリカ合衆国、英国等では、日本よりも住宅が長期間使用されているなど建物を取り巻く状況は大きく異なっているが、国外に所在する建物に対しても国内に所在する建物と同一の税制が適用されることとなっている。そして、国外に所在する中古と判断される建物(以下「中古等建物」という。)の中には、使用可能期間の年数を見積もることが困難な場合に一定の算式により得た年数を減価償却費の計算に用いる耐用年数とすることができる方法(以下「簡便法」という。)に基づき耐用年数を算定したものが相当数あると見込まれる状況となっていた。このような背景の下、国外に所在する中古等建物について、賃貸料収入を上回る減価償却費を計上している納税者が多く見受けられる状況となっていた。また、簡便法により耐用年数を算定する場合に用いられる100分の20という割合は、昭和26年に定められて以降現在に至るまで変わっていない。これらのことを踏まえると、国外に所在する中古等建物については、簡便法により算定された耐用年数が建物の実際の使用期間に適合していないおそれがあると認められる。そして、賃貸料収入を上回る減価償却費を計上することにより、不動産所得の金額が減少して損失が生ずることになり、損益通算(不動産所得の金額の計算上、必要経費が総収入金額を上回ったことにより損失が生じたときは、一部の資産の貸付けに係るものなどを除き、当該損失の金額を給与所得等の総合課税に属する他の各種所得金額から控除すること)を行って所得税額が減少することになる。
 したがって、本院の検査によって明らかになった状況を踏まえて、今後、財務省において、国外に所在する中古の建物に係る減価償却費の在り方について、様々な視点から有効性及び公平性を高めるよう検討を行っていくことが肝要である。
 本院としては、中古の建物に係る減価償却費について、引き続き注視していくこととする。

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