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④ 量的・質的金融緩和の導入及びその拡大の日本銀行の財務への影響について

  • 〈事項等〉
    特定検査対象に関する検査状況
  • 〈検査の観点〉
    主に合規性の観点から検査を行ったもの

本院は、日本銀行が平成25年4月に量的・質的金融緩和を導入し、26年10月にこれを拡大して、価格変動リスクのある資産を含む金融資産の買入れペースを増大していることなどを踏まえて、24年度から26年度までの日本銀行の財務の状況について、量的・質的金融緩和の導入及びその拡大により、日本銀行の保有する長期国債、価格変動リスクのある資産等及び日銀当座預金等の負債等の規模はどのようになっているか、長期国債利息、補完当座預金制度に係る支払利息等の損益の状況はどのようになっているか、各事業年度の剰余金の処分及び国庫納付金の納付状況はどのようになっているかなどに着眼して検査した。
 検査したところ、日本銀行による量的・質的金融緩和の導入及びその拡大に伴い、日本銀行の資産及び負債の規模は過去に例をみない規模で急速に拡大していた。これに伴い、資産から得られる収益も増大し、当期剰余金も増加していたが、長期国債の利回りが低下傾向で推移していく中で、保有長期国債の平均保有残高の増加率に比べて長期国債利息の増加率は小さくなっており、また、超過準備額等の残高に対して発生する補完当座預金制度に係る支払利息は、長期国債を中心とする多額の金融資産の買入れによる日銀当座預金の大幅な増加に伴って増加していた。
 したがって、日本銀行においては、引き続き、量的・質的金融緩和の導入及びその拡大に伴い取得した金融資産について、保有等に伴う損失発生可能性に備えて適切に引当金の積立てを行うとともに、金融資産及び日銀当座預金の規模の拡大等に伴い、従来よりも収益及び費用の振幅が大きくなると見込まれる状況を踏まえて、当期剰余金の5%に相当する額を超える金額を必要に応じて法定準備金に積み立てるなど更に財務の健全性の確保に努めることが重要である。また、財務省においては、日本銀行から上記引当金の積立てを含む財務諸表等の承認又は上記法定準備金の積立ての認可の申請があった場合には、量的・質的金融緩和の導入及びその拡大後の日本銀行の財務の健全性等を勘案した上で、国民に還元されるべきとされている日本銀行の利益の特質等に留意しつつ、引き続き適切に承認又は認可を行っていくことが必要である。
 本院としては、今後の金融経済情勢の変化を踏まえつつ、今後とも日本銀行の財務の状況について引き続き検査していくこととする。

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