第16号

GAOアニュアルレポートに見る検査機関の役割
後 千代

後 千代
(東邦学園短期大学専任講師)

 1955年生まれ。愛知大学博士課程単位取得。94年より現職。所属学会:日本会計研究学会,日本監査研究学会,地方自治研究学会

はじめに

 1995年末,米国では予算をめぐる議会と政府の対立で,連邦政府が「予算の空白」という事態に至った。連邦政府職員の4割にあたる約80万人が自宅待機となり,国防,警察,郵便配達などを除く窓口の一部が閉鎖された。しかしその対立点は,米国連邦予算の単年度赤字を何年かけてゼロにするのかであり,「ともに『財政再建の重要性は,国民のコンセンサス』(ローレンス・ハース行政予算管理局広報次長)となっているという認識では一致している注1」という。

 事実,1992度に2,900億ドル,対GDP比率4.7%であった財政赤字は1996年には1,070億ドル,同1.4%に低下している。これは4年連続の低下であり,先進国の中で最も良好なパフォーマンスを維持している注2。さらに1997年5月にクリントン大統領と米議会共和党の間で,米国の財政赤字を2002年までにゼロにする5ヵ年計画が合意された。

 本稿では,このような米国の状況下,議会の付属機関である合衆国会計検査院(General Accounting Office;以下GAOと呼ぶ)が,独立的検査機関としてどのような役割を担おうとしているのか,またどのような観点で連邦政府予算のチェック機能を果たしているのかという点を明らかにしたい。

1.背景

 上述のような課題設定は次のような関心に基づいている。近年わが国においてもGAOの検査活動が紹介される場合,その業績検査(Performance Audit)が,主に情報提供機能の観点から注目されるとともに,わが国への適用可能性についての議論が行われている注3。

 ここで,「業績検査」とは,財務検査と並ぶ検査であり,GAOの1994年改訂版検査基準によれば,「公的アカウンタビリティを改善するために,また是正措置を監督し,またはこれに着手する責任を負う当事者の意思決定を容易にするために情報を提供することを目的として,政府の組織,プログラム,活動または職務の業績について,独立的立場から評価をおこなう目的で実施される証拠の客観的,体系的な調査である」注4。この業績検査は,経済性・効率性検査及び,通常わが国で有効性検査と呼ばれる「Program Results Audit」を含む概念である。

 GAOは特に1970年代以降,この検査活動を推進,強化してきており,現在では各省庁に対して独自にプログラム評価を行なうことを要請している。しかし,このような業績検査を限られた検査資源の中から検査活動に振り向けることは,冒頭にあげた行政におけるリストラの方向とは矛盾しないであろうか。

 確かに連邦政府機関に対する検査は内部監査機能に依存しているため,GAOの負担は比較的少ない。また,議会の付属機関として,議会や各種委員会に対する情報提供活動もGAOの存在理由の大きな割合を占めているため,直ちに事後的会計検査活動の観点からだけで過小評価され,大幅な予算カットの対象になるとは考えにくい。とはいえ現在の合衆国連邦政府は,大きな政府を前提としたチェック機能体制の充実という方向には向かっておらず,それとは逆に予算削減の渦中にある。

 このような状況下で,高度な検査技能と人材が必要な業績検査活動と予算削減という相反する要請を,GAOがどのように果たすのかという上述の課題を設定した。

 その際,GAOが独立的検査機関として,どのような役割を果たしているのかという点を,1995年度及び1996年度の直近のアニュアルレポートをはじめとするGAOのレポートにより検証し,米連邦政府の動向については,1993年クリントン政権発足後,ゴア副大統領を長として着手された「国家業績のレビュー(National Performance Review)」の公表した報告書を検証する。

2.GAOの検査活動の重点課題及び目標

 はじめに,GAOが独立的検査機関として,どのような検査活動を行っているのかという点を検証する。GAOの1995年度のアニュアルレポートには,GAOの優先課題が以下のように設定されている。

(1) 効率的かつコストに見合う有効な政府の促進

(2) 浪費,不正,濫用,ミスマネジメントの公表

(3) 財政赤字削減のための支出削減の目標設定

(4) 財務管理及び情報管理に関するアカウンタビリティの向上

(5) 財政,予算の動向及び政府にとっての重大事項の判定

 そこでこれらの課題の内容とその実施状況を要約し,GAOの検査活動の概観を得ることにしたい。

(1) 効率的かつコストに見合う有効な政府の促進

 GAOの業績を見る場合,次のような2種類の観点から分類することができる注5。

 (1) 財務的な便益としての議会へのサービスと,GAO業務の成果

  この内容には,GAOの勧告数,証言数,GAOの検査の結果,改善等の処置が講じられた事項があげられる。

 (2) 業務プロセスのコストと所要時間の観点からの効率性と有効性

    GAOの業務のためのインプットに着目した業績測定である。

   これらGAOの成果とコストの内容は次のようである。

 (ⅰ) 貨幣測定可能なアウトプット

 GAOが達成した成果のうち,貨幣的に測定可能な節約額としての成果は,[図表1]で示すように,1995年度に総額158億ドル,1996年度には173億ドルに及んでいる注6。これは1995年度について見れば,GAOの予算1ドルにつき,35ドル以上の予算節約額を意味している。さらに,1991年から1995年までの5年間の成果との比較では,合計1,200億ドル近くの財務的便益を達成している。これはGAOの予算1ドルにつき,55ドル近くの財務的便益があったことを示している。この金額の根拠はレポートの中では示されていないが,GAOはこのような形で自己のコストパフォーマンスを表明している注7。

(ⅱ) 貨幣測定不能なアウトプット

 また,貨幣的に測定不能な成果は,主に議会に対する情報提供機能にかかわっている。[図表2]で示すように,1995年度,1996年度にGAOが作成した検査報告書及び評価等の成果について次のように申告している注8。

図表

 議会での証言をはじめとする貢献度を示す1995年度の1,322の数値は,1994年度と比較すると6%の生産性増加を示している。1996年度の1,306は,人員削減により,前年度と比べ減少しているものの,スタッフ100人当たりについての前年度比は18%の増加となっている。1996年の証言回数についても,同様にスタッフ100人当たりについてみれば,前年度と同程度となっている。

図表
図表1 財務点便宜
図表2 GAOのアウトプット

 このように,GAOの業務の大部分は検査と評価で占められているが,その業務のうち1995年度は約73%,1996年度は約78%が議会の要請に応じたものである。なお,検査と評価以外のGAOの業務には以下のようなものがあげられる注9。

  • OMB,財務省とともに会計基準を設定する
  • 行政部で利用される会計制度と会計統制の評価を実施する
  • 一般に認められた政府会計検査基準(GAGAS)を設定する
  • 請求権を確定する
  • 政府の収入及び支出に関する確定の公表

 また,貨幣的に測定できない業績として,GAOの検査の結果,改善等の処置が講じられた指摘事項のモニターと検査のフォローアップがある。[図表3]で示すように,GAOの勧告や検出事項に従って行われた改善や是正措置をモニターし,毎年200以上の改善が行われている。この数値には貨幣的に測定できる成果は含まれていない。

 これを1996年度について見れば,GAOの勧告や検査結果を受けて改善処置の講じられたものが270件であり前年度比23%増となっている。

 GAOの指摘した勧告が実行に移されているかどうかに関するフォローアップについては,過去の趨勢から,1995年度,1996年度に行われた主な勧告の約70%が4年以内に実施されることが予測されている注10。

(ⅲ) インプット

 次に,GAOの業務にかかるインプットの側面に着目した業務プロセスのコストと検査活動に要する時間を見ると[図表4]のようになる注11。GAOの業務にかかるコストの総平均は1995年度は21万6,000ドルであり,前年比で約15%減少している。また,総平均値よりも実態に近い指標を表わす中間値は14万1,000ドルから10万ドルと約30%減少している。1996年度のインフレ調整後の総平均コストは21万9,000ドル,中間値は8万8,000ドルであり,前年度比は改善している。

 検査業務にかかる所要時間は,1995年度については1つの案件につき平均8.6ヶ月,中間値6.3ヶ月であり,それぞれ前年度比で1.8ヶ月,2.4ヶ月短縮している。

 またGAOの1995年度までのダウンサイジングの結果,100人の職員に要する年間経費あたりのアウトプットは12%の増加となっており,議会での証言回数については1985年度と比較すると2倍強となっていることが報告されている注12。

(ⅳ) 適時性の指標

 所要時間については,適時性との関連で1996年度から新たな指標が加えられた。施策の影響を評価するには一定の期間が必要であるが,議会その他の要請に期間内に応えて情報提供機能を果たすには評価結果の精度とのコンバートはある程度止むを得ない場合もある。GAOのアウトプットが期限内に提出できたかどうかを示す指標は,一方ではGAOに要請されている適時性に応えながら,他方ではGAOのレポートの質に対する批判を意識したものだと考えられる。

図表3 GAOの勧告、検出結果を受けて処置を講じた事項
図表4 GAOの業務あたりの所要期間、費用

(2) 浪費,不正,濫用,ミスマネジメントの公表

 次にGAOは,1980年代末の住宅・都市開発省で発覚した浪費,不正,濫用,ミスマネジメントなどを教訓に,このようなリスク回避の観点からプログラムの監視を開始した。それは「ハイリスクレポート」によって公表されており,重大な改良の余地がある分野の指摘や,納税者の利益を守るために特に明示されている。

 このハイリスクレポートによる指摘は1990年に始まった制度であり,1995年度について見ると,例えばメディケア(高齢者医療保障)の支払業務で,毎年1,670億ドルの10%の損失の可能性があることや,メディケア請求にあたって民間のコンピュータシステム技術を利用すれば,1994年度の2%近くのコストにあたる1億4千万ドルの節約が可能となる,といった指摘も行われている注13。

 また,国防事業では不要な資産が保有されている点が指摘されている。この国防総省の保有資産に関する報告書によれば,国防総省は775億ドルの評価額を計上しているが,GAOの調査によれば,そのうちの47%にあたる363億ドルの保有資産が,現在想定されている戦闘規模には不必要なものであることが指摘されている注14。

 また,1994年にGAOがハイリスクに指摘した18項目のうち,1995年度には15項目の改善が見られ,18項目のうち5項目については,十分改善されたためハイリスク項目から除かれた。そして1995年度にはGAOは新たに7つのハイリスク分野を指定した。

 このハイリスクに指定される項目は,リスクの高い,つまり納税者にとっては早急に改善することによって,想定される損失を低く抑えるというメリットがあると同時に,GAOにとっては指摘した金額が大きいために自己の業績向上につながることになる。後で触れるような人員削減の中で,GAOの業績を維持向上させつつ連邦政府全体の支出削減を実現するには非常に有効なレポートだと言えよう。

 わが国では,業績検査の適用可能性をめぐる議論の中で,「業績検査にシフトできたとして,『指摘』事項を見いだせない場合のリスクを誰が負担するのか(会計検査院は何もしていないという批判にどう答えるのか)注15」という問題が提起されているが,GAOのこのような実践が有効な先例となりうる。

(3) 財政赤字削減のための支出削減の目標設定

 優先課題の3点目は,財政赤字削減のための支出削減の目標設定である。連邦議会は歳出削減のため,今後1兆ドルの支出削減をする予定であり,そのためGAOは,議会歳出予算委員会と行政の予算要求の中での潜在的節約額を見いだし,予算委員会やその他の委員会とともに事業全体の廃止,修正による節約の機会を図っている。

 レポートでは現在,以下のようなことが進行中であることが報告されている注16。

(1) 民間核廃棄物の問題や戦略的石油備蓄の問題などを処理できるエネルギー省の必要性

(2) 節約可能な農産物事業の識別

(3) 保健・福祉省,教育省,労働省における不効率で高額な事業の識別

(4) 財務管理及び情報管理に関するアカウンタビリティの向上

 4点目に,GAOは連邦政府の財務管理及び情報管理に関するアカウンタビリティについて,1985年に連邦政府財務管理システムに関する白書を公表して以来,連邦政府の財務管理システムが最低ラインもクリアしていない点と広範なミスマネジメントによって,毎年数十億ドルという無駄遣いが行われていることを議会に対して指摘してきた注17。

 また,特に重点課題としてGAOが取り組んでいるものに,情報資源管理(Information resource management;IRM)があげられる。この目的は,連邦政府が投入しているコンピュータ及び情報テクノロジーにかかわる支出が,毎年250億ドルにも及ぶため,この莫大な投資を上回る成果を回収することであった。そのため1994年以来,GAOはこのIRM事業の基本原則を作成し,この問題と取り組んできた。しかし,1996年6月の報告書では必ずしも成功しているとはいえない現状が報告されている注18。

 すなわち,1995年の文書作成業務削減法(The Paperwork Reduction Act of 1995)によって,行政予算管理局の情報・規制問題室(Office of Information and Regulatory Affairs;OIRA)は,1996年度の連邦政府全体の文書作成業務を少なくとも10%以上削減する目標設定をすることが求められた。しかし,1996年3月31日時点でOIRAは目標設定していないばかりか,仮に各政府機関の設定した最大限達成可能な削減量を集計しても10%にも達しないということが,各連邦政府機関の文書作業時間を例に行われている。

(5) 財政,予算の動向及び政府にとっての重大事項の判定

 最後に,政府にとって将来重大な事態を招く恐れのある問題について,レポートでは以下の3点について議会や政策決定者に警告を発してきたことが報告されている。そして、その問題解決にあたっては,議会が重大な決断を行うかどうかに依存することが指摘されている注19。

(1) 金融業界がますます拡大し,その複雑さが増大する中で,投資家や預金者を保護する規制とのギャップが大きくなっている問題

(2) 健康維持にかかるコストの増大及び高齢者医療保障制度の問題

(3) 原子力発電所から生ずる使用済み放射能燃料の保管と処分のために、エネルギー省の事業に予想される重大な局面

 上記のような政治的判断を迫る指摘は,1967年の経済機会法修正法(Economic Opportunity Act Ammendment)によって1967年から1969年にかけて,連邦貧困対策プログラムに対する評価を実施したことから本格化した。1969年当時,このようなGAOの検査報告書が議会で報告された結果は,概ね好評であったとされるが,議員の中には福祉・教育といった非会計分野で政治的判断と専門的知識が要求される仕事をGAOが行うべきかどうかについて疑問の声があった。しかし,冒頭でも触れたようにGAOのプログラム評価は,その後GAOの業務の大きな比重を占めるに至った。

 さらに,1974年議会予算及び執行留保規制法(The Congressional Budget and Impoundment Control Act of 1974)によって上下両院の予算委員会及び議会予算局が設けられるとともに,GAO内にプログラムレビュー・評価局が新設され,プログラム評価を強化するために外部専門家を雇用する権限もGAOに付与されるなど,プログラム評価という検査技法の開発を行う一方で,その効果を議会に承認させつつ,他方で議会に対する情報提供機能を拡大して,立法府の1機関としてのGAOの地位を確立していったのであった注20。GAOの評価業務のうち,すでに1977年当時,プログラム評価が49%,経済性・効率性検査が41%を占めており,両者を合計すると90%に及んでいる注21。

 しかしながら,アニュアル・レポートには,このような有効性をはじめとする,経済性,合規性といったわが国で行われているいわゆる「観点別」分類は見られない。GAOのレポートの中で検査結果の分類基準としてあげられるのは,例えば雇用,教育,財務管理,産業・消費者というように26にカテゴライズされた検査対象領域であり,もうひとつの分類基準としては,GAOのレポートを作成している14の担当部署ごとの分類である注22。

 政府機関の業績を測定する場合,政府業績及び成果法(Government Performance and Results Act of 1993)の規定に従えば,アウトカムとは「所期の目的と比較したプログラム活動の結果のアセスメント」のことであり,アウトプットとは「活動や努力の表,計算,記録であり,量的,質的方法で表現することができるもの」とされる注23。

 観点別の分類では,GAOの業務プロセスのアウトプットを測定するという見地からも,またアウトカムを測定するという見地からも不十分である。何故ならば,GAOのレポートを議会での政策決定の判断材料として利用する情報利用者にとって,どのような観点からの検査であるかということにかかわりなく,指摘されている事実及び分析の的確性,客観性,実現可能性が何より重要なのである。またGAOにとっても,観点別に分類を示すことはGAOの業績アップにも,GAOの職員のインセンティブにも寄与しない。むしろ,現在行われているような担当部署別に業績を明らかにして,業績評価の対象とする方が有効なのである。

 また,インプットの側面からも新たに1996年度のアニュアルレポートからは,プログラム領域ごとにコストを表示している注24。従来,人件費,印刷費,コンピュータ関連経費などによる内訳が部分的に表示されていたにすぎないが,新たなプログラム領域別のコストを表示することにより,担当部署別のアウトプットとインプットを対応させることが可能となる。

3.1990年首席財務官法の意義

 上述のようなGAOの検査活動に見られる特徴は,それ以前のGAOの検査とどのような相違点があるのであろうか。またそれらの相違点はどのような意味を持つのであろうか。この点を1990年の首席財務官法注25までのGAOの変遷過程及びその後の経過をたどることによって確認しておきたい。

(1) 連邦管理者財務統合法まで

 1990年首席財務官法に至る経過の中で,連邦管理者財務統合法(Federal Managers' Financial Integrity Act of 1982;以下FIAとする)が制定された1982年は,連邦財務制度の本格的な改革が始まった時期であると言えよう。それは同法が1950年以来の課題に再度着手したからである。

 1982年のFIAは1950年予算会計手続法(以下,1950年法とする)の修正法であり,GAOに内部統制基準を設定する権限を付与し,また各連邦政府機関の長に対しては,当該組織の内部統制と会計システムが同基準に合致しているか否かに関する報告書を毎年度提出すべきことを規定した。この修正内容は,1950年法の趣旨の実質化あるいは強化となっている。

 ここで1950年法が連邦政府検査の発展過程の中で占める位置付けを見ておくと,1950年法は連邦政府機関における「内部監査」について,初めて明記した法律であった。その契機となったのは,公社に対するGAOの検査であるが,連邦政府機関に民間企業型監査を導入しようとし,各行政機関の長に対して内部監査を含む内部統制機能を充実させる責任と財務報告責任を課した注26。

 このような規定が盛り込まれた趣旨は,従来GAOが検査の域を超えて行政統制機能を行使していたため,それを是正し,かつ大統領の行政的意思決定に資するために必要な予算編成と予算執行の情報を提供することであった。これを「パフォーマンス・バジェット」として第一次フーヴァー委員会が1950年法に盛り込もうとしたのであった注27。

 その結果,1957年には内部監査にかかわる基本原則及び概念基準書がGAOによって公表され,各行政機関の責任者に対し,内部監査を含む内部統制機能を充実させる責任と財務報告責任を課した。しかし,それを具体的に保証する体制が不備であったこと,またGAOの役割が,会計基準を設定することと,財務管理の手続と内部統制の妥当性をチェックすることであったため,財務検査が不徹底となり,かえって不正や浪費が発生してしまった。このことが,1963年の下院政府活動調査委員会の報告においても,スタッフの資質と活動範囲の制限等によって,機能不全に陥っていた内部監査を強化する必要性が依然焦眉の課題として指摘されていた。

 こうして内部監査の問題が解消されないまま1970年代には,当時の保健・教育・福祉省の支出にかかわる不正や浪費といった形で顕在化した。その対策として,1976年に監察総監(Inspector General)が同省に設置され,その後これを他の主要連邦政府機関にも拡げたが,内部監査機能と外部監査機能を未分化のままあわせ持ち,かつ会計検査院長の監督下にある監察総監に対して行政機関が反発したため,当初の目的をあげることはできなかった。

 以上のような経過を経て,1982年のFIAによる財務管理改革が着手され,GAOはFIAに基づく報告書注28を公表し,連邦政府機関の内部統制及び財務管理システムの不備から生じる不正,濫用を指摘しつづけてきた。またGAOは,財務管理及び情報管理に関するアカウンタビリティの向上の問題に関して,行政管理予算局(Office of Management and Budget;以下OMBと呼ぶ)とともに,連邦政府の資産,負債,財務リスクなどの正確な情報提供が不可能であることを指摘していた注29。その結果,連邦政府の財務官の制度を改善する必要性が議会で認識されるにいたり,二党合意に基づき主席財務官法が可決されたのであった。

(2) 首席財務官法

 同法は,政府財務管理職務全体に責任を持つマネジメント副長官の部署をOMB内に設けること(Sec.201),連邦財務管理局をOMB内に設置し,その長であるコントローラーを大統領が任命すること(Sec.201),主な省庁に首席財務官及び副首席財務官職を設けること(Sec.205)などが規定され,これらを通して権限強化されたOMBには,政府全体の財務管理5カ年計画を毎年作成,実行し,また更新することが課された注30。

 特に,各連邦政府機関の首席財務官の権限と責任が拡大し,コスト情報の報告,業績の規則正しい測定などが求められた注31。この首席財務官法の基本的な特徴は,第一に,行政省庁の財務担当官の権限拡大を基礎にして,行政各連邦政府機関に検査済みの財務諸表を義務付けたことである。この検査は監察総監の責任のもとで実施されるが,GAOあるいは公認会計士との監査契約を結ぶことができる。第二に,OMBによる長期計画策定を行なう体制を整備したこと。第三に,アカウンタビリティの強化である。

 この体制を前提として,連邦会計基準の適正性を確保するために会計検査院長,OMB長官及び財務長官が連邦会計基準諮問委員会(Federal Accounting Standards Advisory Board;FASAB)を設置し,基準設定を協力して行なうこととした。

 上述の経過を内部監査の充実という観点から見直すと,1970年代のプログラム評価活動は,連邦政府機関の内部監査を含む内部統制の不備にもかかわらず,GAOが検査機関として,また議会に対する情報提供機能を果たす上で不可欠の手法ではあったといえるが,他方で解決すべき課題は残されたままであったと考えられる注32。

 しかし,1990年に行政部における統制機能が組織的に確立することによって,第一次フーヴァー委員会の勧告あるいは1950年法の趣旨がようやく実現しうる機構が形成されたと言えよう注33。

 この首席財務官法は,1994年10月13日制定の政府マネジメント改革法(Government Management and Reform Act)注34によってさらに補強され,1996年までに24の主要省庁が検査に耐えうる財務報告書を作成することが義務づけられ,その監視役がGAOに課されたのである。そして1997年からは,GAOによる連邦政府の連結財務報告書の検査がスタートし,そのデータは議会と納税者に開示されることになっている。同時にそのデータは,業績測定を連邦プログラム管理の鍵にしょうという意図で立法化された政府業績及び成果法を効果的に遂行するうえで,不可欠の前提となることがレポートでは述べられている注35。

4.政府業績及び成果法

 上述のようなアニュアルレポートの記述は,1993年8月に可決した政府業績及び成果法が根拠となっている。同法では主に以下のことが課された。

(1) 実績と目標とを比較するための業績目標の設定

(2) 前年度の業績に関する年次報告書の作成及び提出

 また,同法によって少なくとも10の連邦政府機関が1997年3月から上記の目標設定を試行的に行い,1999年の財政年度からはすべての連邦政府機関に適用されるとともに,2000年3月31日までに,また,それ以降は毎年3月31日までに各政府機関の長は,前年度のプログラム業績(Program Performance)報告書を作成し,大統領,議会に提出しなければならない(§1116)。2000年度から業績成果に関する報告書が大統領及び議会に提出されることになっている注36。GAOはFIAにも政府業績及び成果法にも拘束されない機関となっているが(§306),率先して自己の業績目標の設定を行っており,同法で規定されている上記の目標達成状況について監視する役割を議会から要請されている。

 従って,1994年度から1996年度までは業績測定のためのパイロットプロジェクトの期間であり,1997年6月1日までに,GAOはこの法律の実施状況について議会に対して報告を行なう義務が規定されている(sec.8.)。

5.GAOのダウンサイジングと生産性向上

 上述のような状況下で,GAOが組織内部で行なっているコスト削減の内容を見ると,まず1992年,立法府の予算削減を議会から要請されていたGAOは,1992年以来,新規採用を凍結してきた。また離職奨励制度を設け,1995年9月30日までに,離職奨励条件を提示し,418名の職員が応じた。また,1994年から1995年にかけてフィラデルフィア,シンシナティ,デトロイト,ニューヨーク,ドイツのフランクフルト支所などを閉鎖し,200のポジションを削減した。さらに,1996年度中にGAOの本庁の管理部,技術部,サポート業務を削減する計画である注37。

 コスト削減が始まった1992年には5,325人いた職員を1995年までで約25%削減し,1996年度までに30%以上の削減を達成し,1993年から10年間で生産性を2倍にする予定であることが報告されている。その結果について,1996年度のレポートでは約3,500人まで削減されたことが報告されている注38。

 GAOの検査業務と評価作業にかかるコスト削減と所要時間削減の目標を見ると,まずGAOの業務の時間と出張旅費の節約のためのコンピュータネットワークの活用があげられる。地方の事務所と本部とのビデオ会議やボイスメッセージングネットワークを活用し,会議を開催するのである注39。

 また,生産性向上のために,すべてのGAOの支所でデータネットワークを実施し,データ収集,分析アプリケーション,情報の共有,データの再利用,アウトプットのレビューの実施を目指している。

 以上のような戦略で,スタッフ×時間,業務コストの節約をはかり,GAOは各案件について100日以内にレポートを公表することをめざして業務過程のリエンジニアリングを実行すること,またGAOの予算削減については,1996年度以降の7年間で合計10億ドル近く削減し,職員数は第二次世界大戦直後と同じレベルにすることを計画している注40。

6.品質管理(QC)

 GAOは検査活動の品質管理のために,以下で見るようなピアレビューとGAOの外部メンバーによる検査諮問委員会の制度を設けている注41。

(1) ピアレビュー

 1995年9月,GAOは初めての試みとして,ピートマーウィック会計事務所と契約し,財務検査業務の外部品質管理レビューを実施した。その目的は,GAOの財務検査業務がどの程度「一般に認められた政府検査基準(GAGAS)」に合致しているかを評定するためである。これは,大規模な公認会計士事務所で確立されたピアレビューと同様の内容と範囲であり,GAOはさらに,業務の質と信頼性を確保するため,将来この外部品質管理レビューを経済性,効率性及び業績検査に拡大する予定である。

 このQC活動は,GAOの外部のメンバー注42からなるQCレビュー委員会(Quality Control Review Board)によって行われ,GAOの検査及び評価業務の質に対するGAOのアセスメントの有効性に関して助言を行うものである。

(2) 検査諮問委員会

 上述のピアレビューとともに,GAOの内部財務業務及び内部統制に関して検査院長に助言をおこなうため,1992年に検査諮問委員会(The Audit Advisory Committee)が新設された。同委員会は,GAO外部から行政官の経験もある民間のメンバーで構成され,以下の諸点に関する有効性についてレビューを行なった注43。

(1) 財務報告活動及び検査プロセス

(2) 財務業務にかかわる内部統制

(3) GAOの業務に重大な影響を及ぼす可能性のある法令規則への準拠性を保障するための手続

このようなレビューの結果が載っている1995年度の検査諮問委員会報告書には,

(1) GAOの外部財務検査の範囲

(2) 規則への準拠性

(3) 内部監査人及び外部監査人の所見事項をレビューし,GAOの是正措置計画が適切かつタイムリーなフォローアップの方法を盛り込んだ所見事項となっているか

(4) さらに,同委員会は,主要報告書を含むGAOのアニュアルレポートの草案をレビューし,コメントを行っている注44。

7.財源及び業務成果

 上述の活動に要する費用の詳細な内訳について,アニュアルレポートでは明らかになっていないが,1995年度の支出内訳について見ると,全体の76%(3億2,700万ドル)が給与諸手当からなる人件費であり,残りの24%が旅費,賃借料,水道光熱費,EDPその他の経費からなっており,この支出の割合は,この5年間ほぼ変動がないことが報告されている注45。

 GAOの1995年度の予算については,4億3,200万ドル,前年1994年度は4億2,900万ドルであり,97%以上は,議会からの歳出予算で賄われている。残りの3%弱は,GAOが他の政府機関に対して行なった財務検査等にかかわる費用の弁済で賄われている。したがって各政府機関の監察総監は,当該政府機関の財務検査を民間の監査事務所と契約するか否かを決定しなければならず,GAOが財務検査を行った場合にはコストからその検査料が控除されている。

8.国家業績レビュー

 さて,以上見てきたアニュアルレポートは,主にGAOの検査活動に関する自己申告とも呼べる内容であった。年度中に行った個々の検査結果の内容については,その都度レポートや議会での証言といった形で公表されているため,アニュアルレポートでは,GAOの業績の公表とともに,むしろGAOの大幅な予算削減とそれに応じる結果を出し,また将来も出そうとしているGAOの姿勢が目につく内容であった。

 それとは対照的に,1980年代のアニュアルレポートの記述は,高所から連邦政府全体の赤字,ミスマネジメント等の指摘を危機感とともに伝える内容であって,自己の業績数値の開示を行ない,数値目標を掲げている直近のアニュアルレポートとは異なる印象を与えるものである。このような内容となった背景についてすでに個々の立法及びそれへのGAOの対応を見てきたが,それらに影響を与えた90年代の米国連邦政府の動向について以下で補足する。

 クリントン政権は,米国の政府機能・サービスの低下や非効率な行政への批判,財政赤字,大統領の行政改革に対する議会の圧力などを背景に,発足後まもなく,1993年3月3日に副大統領のアル・ゴアを長とする「国家業績レビュー(National Performance Review;以下NPRと呼ぶ)」に着手した。そして同年9月7日にクリントン大統領が6ヶ月の期限を付して作成するよう指示した『国家業績レビュー・レポート』が大統領と議会に提出された。

 NPRは行政改革計画を策定する専門組織として創設され,OMB等とともに各省庁の行政改革の実施を監視・調整する体制をとった。

 中心的な施策は,形式的手続主義を結果主義に改革すること,すなわち予算,人事,調達等に関して繁雑な手続主義を排し,公務員に結果責任を持たせる。また省庁間,民間セクターとの競争を導入し,施策の改善を促す圧力を創出すること。そして,1999年までに各省庁ごとに測定可能な目標を設定させ,業績結果を監視する新行政管理システムを構築することである。

 NPRの公表したレポート注46では,1993年12月までに252,000人の公務員を削減する案を出し,各政府機関に対して内部規則を半減させること,顧客サービス基準を設定すること等を明記している。このレポートの『良質かつ安い政府の創設』というタイトルがこの一連の取組みを象徴しており,「顧客サービス基準」はNPRのキーワードともいうべき基準となっている。

 公務員の削減については1999年までに279,000人の目標を設定しており,1993年から1996年までの3年間ですでに約230,000人(うち約150,000人は国防省の文官)の削減が実施済みとなっている。

 また,すでに述べたように,1993年8月にはNPR最大の成果といわれる「政府の業績及び成果法」が発効した。同法は,各政府機関に業績の評価基準を設定することを求め,NPRはOMB及びホワイトハウスのスタッフと共に,政府機関の長との業績目標の合意形成を図っている。1995年末現在で,24の主要政府機関のうち8つの政府機関の長がすでに大統領との間で業績目標について合意している。

 1994年には,NPRは各政府機関に対して顧客サービス基準の創設のために,一定期間トレーニングを毎週開き,基準開発に寄与した。1994年10月までにおよそ150の政府機関が約1,500の基準を作成した。前年度にはわずか3政府機関のみが基準を作成していたにすぎなかったが,さらに1年後の1995年10月には214の政府機関がおよそ3,000の基準を設定したことが報告されている。

 このようなNPRの活動に対する外部からのオブザーバーとして,GAOは,1993年12月にNPRの勧告に関する最初の報告書を公表したのをはじめ,1996年6月現在までに,47のNPRの勧告の実施状況を監視する立場からの報告書をだしている注47。

 例えば,1996年6月に公表されたGAOのレポート注48によれば1993年9月7日,NPRは政府を『良質かつ安価な政府(work better and cost less)』にするための384の勧告を公表したが,その後,NPRはその勧告を実行するために,1203の実施細目を提示した。2年後の1995年9月7日のNPRの報告書には,およそ3分の1にあたる380の実施細目が実行に移された旨の報告があった。

 しかし,このNPRの報告書発表からおよそ4ヶ月後の1996年1月16日に,GAOがその結果について実際に実行に移されたかどうかを再調査した際,380のうち,実際に完了していたものは,その77%の294にとどまっていた。また,実施に移されてはいたが完全ではなかった項目が17%の66,その調査に必要な情報自体が入手できないものが20項目であった注49。

むすび

 以上の検討を通じて,米国連邦政府の一連の行政改革を推進しているNPRが各省庁の監視役を果たしており,GAOはさらにその監視役として,情報提供機能を果たしていることが明らかになった。GAOは自身のリストラによる人員削減の実行とともに,将来にわたる業績向上の課題を背負っている。そのような要請を満たすために,GAOの業績にとって意味のないアウトプット志向からアウトカム志向へと移り変わった姿勢が見て取れた。

 GAOの検査活動に即したアウトカムは,いかに限られた時間内に議会の要請に応えた質の高い検査結果をだせるか,また,検査の所見事項をいかに実行可能な形で提示し,被検査対象に改善措置を取らせることができるかという点にかかっている。そのような観点から,部署別に検査業績を明らかにし,金額的にリスクの高い指摘を行い,もって情報提供機能を果たすことで,自らの生き残りを賭けているともいえる状況がそこにはあった。

 この過酷とも言えるリストラの目標設定がどこまで実行可能なものであるのか,NPR及びGAOの今後の活動を引き続き注目したい。

注1 「米国の教訓 景気回復−危機の実相 財政赤字220兆円」日本経済新聞,1995年12月9日朝刊,11頁。

注2 「1997年経済諮問委員会年次報告」『エコノミスト臨時増刊 '97米国経済白書』1997年4月28日号,毎日新聞社,55頁。

注3 山本清稿「会計検査のパラダイム・シフトに向けて」『会計検査研究』第8号,会計検査院,1993年9月,上野俊一・宮川公男稿「結果志向のマネジメントと会計検査院」『会計検査研究』第8号,会計検査院,1993年9月。木谷晋一稿「GAOの監査規準の展開とその要因」『会計検査研究』第9号,会計検査院,1994年3月。

注4 U.S. Comptroller General, Government Auditing Standards:1994 Revision(Government Printing Office, 1994) p.14.

注5 U.S. General Accounting Office, Comptroller General's 1995 Annual Report, GAO, 1996, p.54.

注6 Ibid., p.55. U.S. General Accounting Office, Comptroller General's 1996 Annual Report, GAO, 1997, p.66.

注7 わが国の会計検査院とGAOは,その業務内容及び事後チェック機能にかかる行政省庁との分業体制も異なり,同条件を前提とした比較はできないが,会計検査院の平成6年度のコストパフォーマンスを試算すると次のような結果になる。会計検査院の平成6年度予算151億2,202万円に対する指摘金額242億9313万円と背景金額877億3,234億円の合計額1,120億2,547万円のコストパフォーマンスを試算してみると,会計検査院の予算1円につき,7.4円の財務的便益となる。

注8 U.S. GAO, 1995 Annual Report, 1996, op. cit., p.10. U.S. GAO, 1996 Annual Report, 1997, op. cit., pp.69-70.

注9 U.S. GAO, 1995 Annual Report, 1996, op.cit., p.54.

注10 Ibid., p.57.

注11 U.S. GAO, 1995 Annual Report, 1996, op.cit., p.58. U.S. GAO, 1996 Annual Report, 1997, op.cit., p.71.

注12 U.S. GAO, 1995 Annual Report, 1996, op.cit., p.56. U.S. GAO, 1996 Annual Report, 1997, op.cit., p.69.

注13 U.S. GAO, 1995 Annual Report, 1996, op.cit., p.33.

注14 U.S. GAO, High Risk Series:Quick Reference Guide, Chapter 7, HR-95-2, February 1995.

注15 山本清稿,前掲論文,43頁。

注16 U.S. GAO, Comptroller General's 1995 Annual Report, 1996, op.cit., p.3. p.21.

注17 U.S. GAO, 1995 Annual Report, 1996, op.cit., pp.4-5. U.S. GAO, 1996 Annual Report, 1997, op.cit., p.6.

注18 U.S. GAO, Paperwork Reduction;Burden Reduction Goal Unlikely To Be Met, GAO/T-GGD/RCED-96-186,June 1996.

注19 U.S. GAO, 1995 Annual Report, 1996, op.cit., p.6.

注20 拙稿「米国GAOの業績検査概念とその役割」『経営総合科学』第65号,愛知大学経営総合科学研究所,1995年10月,77−102頁。

注21 Frederic C. Mosher,The GAO:The Quest for Accountability in American Government, Westview, 1979, p.179.

注22 U.S. GAO, Abstracts of Reports and Testimony:Fiscal Year 1995, GAO/OIMC/OPA-96-1A, February 1996, p.Ⅲ, p.Ⅴ.

注23 Public Law 103-62・S.20・ Government Performance and Results Act of 1993, August 3, 1993,§1115.(f)

注24 国防,国際関係,財務管理,財務システム,情報管理・テクノロジー,エネルギー,農業,住宅,環境,運輸,資源,司法,税制,金融制度,管理全般,教育,雇用,健康,賃金保障,法律,プログラム評価方法論及び基準,特別調査及び調査補助。以上の8領域ごとのコスト及び管理職及びそのスタッフのコストが表示されている。U.S. GAO, Comptroller General's 1996 Annual Report, 1997,op.cit., p.77.

注25 Pubic Law 101-576,・H.R.5687・ November 15, 1990, Chief Financial Officers' Act of 1990.

注26 P.L. 784・H.R. 9038・, Budget and Accounting Procedures Act of 1950, Sec.111, Sec.113.

注27 拙稿「米国公会計・監査におけるブラウンロー委員会報告書の意義」『愛知論叢』第51号,1991年。

注28 U.S. GAO, The Government Faces Serious Internal Control and Accounting Systems Problems, (AFMD-86-14) Dec. 23, 1985.

注29 M.A. Dittenhofer, Applying Government Auditing Standards, op.cit., pp.3-47.

注30 P.L. 101-576, Chief Financial Officers' Act of 1990, Sce. 301

注31 Ibid., Sec. 205.

注32 拙稿「米国公監査における有効性検査の端緒」河合秀敏編著『国際会計と国際監査』同文館,1993年。

注33 拙稿「アメリカ連邦政府会計検査の発展過程の概観」『東邦学誌』第23巻第1号,1994年12月。

注34 Public Law No.103-356, 103rd Cong, 2nd Session (Oct 13, 1994).

注35 U.S. GAO, 1995 Annual Report, 1996, op.cit., p.5.

注36 Mortimer A. Dittenhofer, Applying Government Auditing Standards, Matthew Bender & Company Inc., July 1995, pp.30-12-30-13.

注37 U.S. GAO, Comptroller General's 1995 Annual Report, GAO, 1996, p.59.

注38 U.S. GAO, 1995 Annual Report, 1996, op.cit., p.4.

注39 Ibid., pp.7-9.

注40 Ibid., pp.7-9.

注41 U.S. GAO, 1995 Annual Report, 1996, op.cit., p.60.

注42 Ibid., pp.60-61.委員会のメンバーは以下のようである。Elliot L. Richard(議員)現Milbabnk, Tweed, Hadley & McCloyの弁護士,前商務省,国防総省,教育,健康省のセクレタリー,全検事総長,John C. Burton;CPA,コロンビア大学の会計学教授,前SECの主席会計士;前コロンビア大学ビジネス大学院の学部長,David F. Linowes;CPA,イリノイ大学の政策経済及び公共政策の名誉教授,前民営化大統領諮問委員会の議長;全国エネルギー資源大統領諮問委員会;連邦プライバシー保護委員会他委員長,John Rihinelander:ショー,ピットマンの顧問弁護士;前住宅都市開発省

注43 Ibid., p.61.

注44 Ibid., p.81.

注45 Ibid., p.62.

注46 National Performance Review, A Brief History of the National Performance Review, January 15, 1996.

注47 例えばNPRの勧告の実施状況を各施策ごとに実施すべき項目,それに対するGAOのコメント,どの程度実行に移されたかの見解を公表している。GAO, Implementation of NPR Recommendations:HRM PartⅠ, PartⅡ, December 5, 1994.

注48 U.S. General Accounting Office, Management Reform-Completion Status of Agency Actions Under the National Performance, GAO/GGD-96-94, June 1996, pp.1-2.

注49 National Peformance Review, A Brief History of the National Performance Review, January 15, 1996, pp.4-7.

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